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兄と妹
兄と妹 Märchen

兄と妹 - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 16 分

兄は妹の手をとり、「お母さんが亡くなってから僕たちは全然幸せじゃないね。義理のお母さんは毎日僕たちをぶって、近くへ寄ると足で蹴ったり。ごはんは残り物のパンくずだし。テーブルの下にいる犬の方がましな暮らしをしてるよ。だって、あの人は選んだご馳走をよく投げてやってるもの。ああ、お母さんが生きててくれればなあ。さあ、僕たちは広い世の中に出ていこう。」と言いました。

二人は草地や野原や岩地を越えて丸一日歩きました。そして雨が降ると妹は「天と私たちの心が一緒に泣いてる。」と言いました。夜になって大きな森に着きました。悲しみと空腹と長歩きのためとても疲れていたので木のほらに横になり、眠りました。次の日、太陽はすでに空高くのぼっていて、木の中を暑く照らしていました。それで兄は「妹よ、僕はのどがかわいた。小さな小川のことを知ってれば、行って水を飲むのだけど。水の流れる音が聞こえるような気がする。」と言いました。兄は立ち上がって妹の手をとりました。それから二人で小川を探しに出発しました。しかし意地が悪い継母は魔女でした。そして二人の子供たちが出ていく様子を見ていて、密かに、魔女が忍び寄るやり方で、あとをつけていて、森の小川に全部魔法をかけていたのでした。

さて、石に明るくはねている小川を見つけたとき、兄はそこから水を飲もうとしました。しかし妹は水が流れながら「ここから水を飲む者はトラになる。ここから水を飲む者はトラになる。」と言ってるのを聞きました。それで妹は「お願い、兄さん、飲まないで。さもないと、あなたは野獣になり、私をズタズタに引き裂いてしまうわ。」と叫びました。兄は、とてものどが渇いていましたが、飲まないで、「次の泉まで待つよ」と言いました。

次の小川に来たとき、妹はこれもまた「ここから水を飲む者は狼になる。ここから水を飲む者は狼になる。」と言うのが聞こえました。それで、妹は「お願い、兄さん、飲まないで。さもないと、あなたは狼になり、私をがつがつ食べてしまうわ。」と叫びました。兄は飲みませんでした、そして「次の泉に着くまで待つよ、だけどそのときは、お前がどうだろうと必ず飲むからな。だってのどが渇いてたまらないんだからね。」と言いました。それから3番目の小川についたとき、妹は水が流れながら「ここから水を飲む者はノロジカになる。ここから水を飲む者はノロジカになる。」と言ってるのを聞きました。妹は「お願い、兄さん、飲まないで。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

さもないと、あなたはノロジカになり、私から逃げていってしまうわ。」と言いました。しかし、兄はすぐ小川のそばに膝まづいて、かがみこみ、水をいくらか飲んでしまっていました。そして最初の滴が唇に触れるやいなや若いノロジカになっていました。

それで今や、妹はあわれな兄が魔法にかけられたと泣き、小さなノロジカも泣いて悲しそうに妹の近くに座っていました。しかし、とうとう妹は「静かにして、ノロジカさん、私は絶対、絶対、あなたから離れないわ。」と言いました。そうして、自分の金のガーターをほどくとノロジカの首にかけ、イグサを摘み織って柔らかい紐にしました。そして、これを小さな動物につないでひきました。そうして妹はだんだん森の奥深くへ歩いて行きました。

かなり長く進んだとき、とうとう小さな家に着き、妹は中を覗き込みました。「空き家だからここに泊まって生活できるわ」と妹は考えました。それから妹はノロジカのベッドを作るために葉っぱやコケを探しました。それから毎朝、自分のために根やベリーや木の実を集め、ノロジカのために柔らかい草を運びました。シカは彼女の手からとって食べ、満足し、彼女の周りで遊びました。夜には、妹は疲れて、お祈りが終わったあと、頭をノロジカの背にのせました。―それが枕になり、そうすると安らかに眠れたのです。兄が人間の形になりさえすれば、それは楽しい生活だったでしょう。

こんなふうに、しばらくの間は荒野に二人だけでにいました。しかし、たまたまその国の王様が森でおおがかりな狩を催しました。それで、角笛の鳴る音、犬の吠える声、狩人の賑やかな叫び声が木々にこだましました。そしてそのノロジカは全部聞いていて、とても気になってそこにいられませんでした。「ねぇ、狩に行かせて。もうがまんできないよ。」と妹に言いました。兄があまり頼むので妹はとうとう承知しました。「だけど、夜には私のところに帰ってきてよ。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

荒っぽい狩人が怖いからドアを閉めなくちゃ。だからノックしてあなただとわかるように『妹よ、入れてくれ』と言ってね。もしそう言わなければドアを開けないからね」と妹は言いました。それから、若いシカはとびはねて出て行きました。外に出てとても嬉しくて楽しくなりました。王様と狩人はこの愛らしい動物を追いかけ始めました。しかしつかまえられません。確かにつかまえたと思う間に、藪に跳ねて消えてしまうのでした。暗くなると、家に走って帰り、ノックして「妹よ、入れてくれ」と言いました。するとドアが開けられ、シカは跳んで中に入り、柔らかいベッドで夜通し休みました。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

次の日再び狩がはじまりました。もう一度角笛の音や狩人のホー、ホーという声を聞くと、ノラジカは矢も楯もたまらず、「妹よ、出してくれ、行かなくちゃ。」と言いました。妹はドアを開けてやり「だけど、夜には帰ってきて、合言葉をいうのよ。」と言いました。王様と狩人は金の首輪をしている若いノロジカに再会すると、みんな追いかけましたが、シカは素早く、敏捷でつかまりませんでした。こうして一日中続きましたが、夜までには狩人はシカを囲んでいました。そして一人が足を少し傷つけたので、シカは足をひきずり、走るのがのろくなりました。それで狩人は家までそっとあとをつけて、「妹よ、入れてくれ」と言うのを聞き、ドアが開けられ、またすぐに閉じられるのを見ていました。その狩人はその全てに注目し、王様のところに行くと、自分が見たり聞いたりしたことを話しました。すると、王様は「明日、もう一度狩をしよう」といいました。しかし、妹はシカが怪我をしているのを見て、とても驚きました。シカの血を洗い落とし、傷口にハーブを塗って、「治るように寝なさい、シカさん」と言いました。しかし、傷はとても浅かったので、次の朝、シカはもう痛くありませんでした。そして再び外のスポーツを聞くと、「我慢できないよ。そこに行かなくっちゃ。そう簡単につかまらないよ。」と言いました。妹は叫んで「今度はあなたを殺すわよ。そして私はここの森でひとりぼっちで世界みんなに見捨てられてるのよ。あなたを出さないわ。」と言いました。「じゃ、お前は僕を悲しみで死なすんだ。角笛の音を聞くと、まるで心臓がとびはねるようにどきどきするんだ。」とシカは答えました。それで妹は他にどうしようもなく、しぶしぶドアを開けてやりました。そしてシカは元気いっぱいで喜んで森の中へ向かっていきました。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

シカを見ると、王様は狩人たちに「さあ、夜のとばりがおりるまで一日中追いかけろ。だが、注意して誰もシカに怪我をさせないように。」と言いました。

太陽が沈んでしまうとすぐ、王様は狩人に「さあ、その森の家へ連れていってみせてくれ。」と言いました。そして入口に着くと、「妹よ、入れてくれ」と叫びました。するとドアが開いたので、王様は中に入りました。すると今までに見たこともないような愛らしい娘が立っていました。その娘は、シカではなく、金の王冠をかぶっている男を見たときギョッとしました。しかし、王様はやさしく見つめ、手をさしだして、「わたしの宮殿にきて妻になってもらえないか。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

」と言いました。「いいですとも。」と娘は答えました。「でも子ジカが一緒でなくちゃいけません。子ジカをおいていけないの。」「お前が生きてる限り、一緒にいさせるし、何不足させないよ。」と王様は言いました。丁度そのときシカが走って入ってきました。それで、妹はまたイグサの紐でつなぎ、紐を手にもって、王様と一緒に家をあとにしました。王様はその美しい娘を馬にのせ、宮殿に連れていきました。そこで結婚式が華麗に行われました。娘は今やお妃さまで、二人は長い間幸せに暮らし、ノロジカは大事に世話をされ、宮廷の庭を走り回っていました。

しかし、意地悪な継母は、そのため子供たちは世界へ出ていったのですが、妹は森の野獣に引き裂かれ、兄はノロジカになって狩人に撃ち殺されたとばかり思っていました。今二人がとても幸せで裕福なことをきくと、羨ましさと妬みとで心がやすまりませんでした。そして、二人をもう一度不幸にする方法ばかり考えていました。自分の娘は、夜のように醜く片目したしかなかったのですが、母親を責め、「お妃って、私がなるはずだったのよ。」と言いました。「お黙り」と母親は答え、それから、「時がくれば、準備ができるわよ。」と言って慰めました。時は過ぎ、お妃さまはかわいい男の子を産みました。王様はたまたま狩にでかけていました。そこで魔女は女官の姿をし、お妃さまがねている部屋へ入っていき、「さあ、入浴の準備ができました。お体によいし、元気になれるでしょう。さめないうちにお急ぎください。」と言いました。魔女の娘も近くにいました。二人は弱っているお妃さまを浴室に運び、風呂に入れました。それからドアを閉め逃げました。しかし浴室では地獄のような熱の火をたいていたので、若く美しいお妃さまは間もなく窒息してしまいました。

事が終わると、魔女は自分の娘を連れて行き、頭にナイトキャップをかぶせ、お妃さまのかわりにねかせました。

兄と妹 メルヘン画像: George Hinke (1883 – 1953)

また、娘をお妃さまの姿形に変えました。ただ失くなっている片目だけはうまくいきませんでした。しかし王様に見えないように目がない方を下にしてねることにしました。夜になって王様は家に帰り息子が生まれたと聞くと、心から喜びました。そして愛する妻の様子を見ようとその部屋に行こうとしました。しかし、魔女は素早く呼びとめ、「お妃さまのためにカーテンを閉めたままにしておいてください。まだ光を見てはだめですから。お休みしなくてはいけません。」と言いました。王様は立ち去り、にせの妃がベッドにねていると気づきませんでした。

しかし、みんなが眠った真夜中になると、乳母は、揺りかごの近くの子供部屋にいてただ一人めざめていたのですが、ドアが開いて本当のお妃さまが入ってくるのを見ました。お妃さまは子供をゆりかごから抱き上げ、腕に抱いて乳を飲ませました。それから枕を直し、子供をまたねかせ、それに小さなキルトをかぶせました。またシカを忘れないで、それが寝ている場所へ入っていき、背をなでました。それからお妃さまはドアからひっそりとまた出ていきました。次の朝、乳母は衛兵に夜の間だれか宮殿に入ったか尋ねました。しかし、彼らは「いいや、誰も見ていないよ。」と答えました。こんなふうにお妃さまは何日も夜に来て、一言も発しませんでした。乳母はいつもお妃さまを見ましたがあえて誰にもそのことを言いませんでした。こんなふうにしばらく過ぎたとき、お妃さまは夜に話しはじめ、「私の子供はどう?私のシカはどう?あと2回来てそのあとはもう来ないわ。」と言いました。乳母は答えませんでした、が、お妃さまがまた行ってしまうと、王様のところへ行き、全部話しました。「何、どういうことだ? 明日の夜は、私が子供のそばで見張りをしよう。」と言いました。

夜になると、王様は子供部屋に行きました。そして真夜中にまたしてもお妃さまは現れ、「私の子はどう?私のシカはどう?あと1回きて、もうそれからは来ないわ。」と言いました。そして消える前にいつものように子供に乳をあたえました。王様はあえて話しかけませんでしたが、次の夜ふたたび見張りをしました。すると彼女は「私の子はどう?私のシカはどう?今回きりでもう来ないわ。」と言いました。すると王様は我慢できなくなり、お妃さまの方にとんでいき、「お前は私の愛する妻に違いなかろう?」と言いました。するとお妃さまは「はい、私はあなたの妻です。」と答えました。同時に再び生命を受け、神の恩寵で、生き生きとしばら色で元気いっぱいになりました。それからお妃さまは、意地の悪い魔女とその娘が自分にした悪い行いを、王様に話しました。王様はその二人を裁判にかけることを命じました。そして判決は有罪になりました。娘は森に連れていかれ野獣に引き裂かれましたが、魔女は火に投げ入れられ、惨めに焼け死にました。魔女が燃えて灰になるとすぐ、ノロジカは姿を変え、再び人間の形になりました。そして兄妹は生涯一緒に幸せに暮らしました。

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背景情報

解釈

言語

これはグリム兄弟の童話「兄と妹」のあらすじです。この物語では、兄妹が意地悪な継母から逃れて冒険をするさまが描かれています。お母さんを亡くし、継母の魔女による虐待を受けた兄妹は、家を出て新しい生活を求めます。しかし、魔法によって兄はノロジカに変えられてしまいます。

妹は兄を大切に世話しながら森で静かな生活を送り、ある日、王様と出会います。王様は妹を宮殿へ招き、結婚しますが、魔女の継母が彼女を陥れようと企みます。継母の策略により妹は命を失いますが、夜ごとに霊として現れ、赤ちゃんとノロジカを見守ります。

やがて、この出来事を知った王様は真相を明らかにし、継母とその娘に裁きを下します。最終的に、兄は人間に戻り、兄妹は幸せに暮らし始めます。この物語は、家族の絆、忍耐、そして愛がいかに困難を乗り越える力となるかを示しています。

この物語「兄と妹」は、グリム兄弟によって収集されたドイツの民話の一つです。物語の中心には、虐待を受ける兄妹が家を出て行くことから始まります。意地悪な継母は実は魔女で、兄が魔法にかかってノロジカになってしまいます。しかし、妹は兄を大切にし、彼のために尽くします。

物語は更に進み、妹は王と出会って結婚し、幸せに暮らしますが、再び継母の邪悪な計画によって危機にさらされます。最終的には魔女とその娘が罰を受け、兄妹は再び幸せになります。

この物語にはいくつかの重要なテーマと教訓が含まれています。まず、家族の絆と忠誠心は非常に重要です。妹は兄がノロジカになっても決して見捨てず、最後まで彼を守ります。また、悪意や嫉妬心がどれほど破壊的であるか、そして最終的には正義が勝つというメッセージも伝えています。

魔法や変身、そして試練を通じての成長という要素が組み合わさり、グリム兄弟の他の物語と同様に、道徳的な教訓を含んだファンタジー物語となっています。

「兄と妹」は、グリム兄弟によるメルヘンの一つであり、その物語にはいくつかの重要なテーマやモチーフが含まれています。以下に、その「メルヘンの言語学的分析」を行います。

家庭と親の喪失:

物語の冒頭で、兄と妹は実の母を亡くし、意地悪な継母と暮らすようになり、虐待を受けています。親の喪失と新たな親との葛藤は、多くの昔話で見られるテーマです。物語は、血縁のない親が子どもに対して悪意を抱く典型的なストーリーラインを持っています。

旅と試練:

兄妹が家を出て、広い世界へと旅立つ展開は、成長や自己発見のシンボルです。彼らが直面する試練、特に継母による魔法の小川のシーンは、誘惑とその克服を象徴しています。兄がノロジカになることで、妹は新たな苦難に直面しますが、それを乗り越える力を示します。

変身とアイデンティティ:

兄がノロジカに変身するモチーフは、自分の本質を見失うこと、または外部の影響で自分のアイデンティティが変わってしまうことを示唆しています。しかし、妹との絆がそのアイデンティティの回復を助ける重要な要素として描かれています。

愛と忠誠:

妹は、兄がノロジカになっても決して見捨てません。彼女の忠誠心と愛は、物語全体を通じて貫かれ、最終的には双方を救います。また、王と出会った後も変わらず兄を大切にする姿勢は、自身の幸せだけでなく、他者の幸福も考慮することの重要性を説いています。

悪役としての継母:

継母は典型的な悪役として描かれ、魔女であることから、悪意と呪いを兄妹にもたらします。このことは、物語の中での善悪の対立を明確にし、最後に悪が裁かれることで、道徳的な教訓を与えています。

再生とハッピーエンド:

最終的に、兄は人間に戻り、お妃としての妹と共に幸せに暮らします。この再びの変化は、試練を超えた後の再生と幸福を示しています。悪が滅び、正義が勝利するというハッピーエンドは、読者に安心感と満足感を与えます。

全体として、「兄と妹」は、困難に直面したときの勇気や愛、そして試練を通じた成長と再生を描いた物語であり、その中には道徳的な教訓が織り込まれています。

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