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赤ずきん
赤ずきん Märchen

赤ずきん - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 11 分

昔、かわいい小さな女の子がいました。誰でもその子を見ると可愛がりましたが、特におばあさんが一番で、子供にあげないものは何もないほどの可愛がりようでした。あるときおばあさんは赤いビロードの頭巾をあげました。その頭巾は子供にとてもよく似合ったので子供は他のものをかぶろうとしなくなり、それでいつも赤頭巾ちゃんと呼ばれました。

ある日、おかあさんが赤頭巾に言いました。「おいで、赤頭巾、ここにケーキが一つとワインが一本あるわ。おばあさんのところへ持って行ってちょうだい。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

おばあさんは病気で弱っているの。これを食べると体にいいのよ。暑くならないうちにでかけなさい。行くとき、ちゃんと静かに歩いて、道をそれないのよ。そうしないと転んでビンを割って、おばあさんは何ももらえなくなるからね。部屋に入ったら、お早うございます、と言うのを忘れちゃだめよ。ご挨拶の前にあちこち覗き込んだりしないでね。」「よく気をつけるわ。」と赤頭巾はお母さんに言って、約束の握手をしました。

おばあさんは村から1.5キロ離れた森に住んでいて、赤頭巾が森に入ったちょうどそのとき、狼に会いました。赤頭巾は狼が悪いけものだと知らなくて、まったくこわがりませんでした。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

狼は言いました。「こんにちは、赤頭巾ちゃん。」「ご親切にありがとう、狼さん」「こんなに早くどこへ行くんだい、赤頭巾ちゃん?」「おばあさんのところよ。」「エプロンには何が入ってるの?」「ケーキとワインよ。昨日が焼いた日よ。可哀そうな病気のおばあさんにおいしいものを食べてもらって丈夫になってもらうのよ。」「赤頭巾ちゃん、おばあさんはどこに住んでいるの?」「森をあとたっぷり700メートルいったところ。おばあさんのお家は3本の大きな樫の木の下にあるの。はしばみの木がすぐ下にあるから、きっとわかるわ。」と赤頭巾は答えました。

狼は、「なんて柔らかそうで若いんだ。なんておいしそうに太ってるんだろう。ばあさんよりうまそうだ。おれはうまくやって両方つかまえなくちゃならん。」と心の中で考えました。それで狼はしばらく赤頭巾のそばを歩いて、それから言いました。「赤頭巾ちゃん、見てごらん、このあたりの花はなんてきれいなんだろうね。周りを見回してごらん。小鳥たちもとてもきれいにさえずっているのに君はきいてないみたいじゃないか。君は学校へ行くみたいに真面目くさって歩いてるんだね 森の中のここではほかは何でも楽しいのに。」

赤頭巾は目をあげました。太陽の光が木の間からあちこちにおどっていて、きれいな花が一面に生えているのを見ると、赤頭巾は、「おばあさんに摘んだばかりの花束を持って行けば、それも喜んでくれるわ。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

まだ早いからちゃんとそこに着くわ。」と考えました。それで花をさがしに道から森の中へ走って行きました。一本摘むと、もっと向こうにもっときれいな花を花があるように見えてそのあとを追いかけ、だんだん森の奥へ入って行きました。

その間に狼はまっすぐおばあさんの家へ走って行き、戸をたたきました。「そこにいるのは誰?」「赤頭巾よ」と狼は答えました。「ケーキとワインをもってきてるの。戸を開けて。」「掛け金をあげて。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

私は弱って起きられないから」とおばあさんは叫びました。掛け金を上げると戸はパッと開き、狼は一言も言わないでまっすぐおばあさんのベッドに行くとおばあさんを食べてしまいました。それから狼はおばあさんの服を着て、帽子をかぶり、ベッドに寝てカーテンをひきました。

ところが、赤頭巾は花を摘んで走り回っていました。たくさん集めてもう持てなくなるとおばあさんのことを思い出し、道を進みました。赤頭巾は家の戸が開いたままになっているのに驚き、部屋に入ると、とても変な気分になったので、「まあ、今日はとても不安な気持ちだわ。いつもだとおばあさんといるのがすきなのに。」と思いました。「お早うございます。」と叫びましたが返事がありませんでした。それで赤頭巾はベッドに行き、カーテンを開けました。そこに顔まで深々と帽子をかぶったおばあさんがいて、とても奇妙に見えました。

「まあ、おばあさん、とても耳が大きいわ。」と赤頭巾は言いました。「お前の声がよく聞こえるようにだよ。」と返事。「だけど、おばあさん、とても目が大きいわ。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

」と赤頭巾は言いました。「お前がよく見えるようにだよ。」「だけど、おばあさん、とても手が大きいわ。」「お前をよく抱けるようにだよ。」「だけど、おばあさん、おそろしく大きな口よ。」「お前をよく食えるようにだよ。」狼はこう言うか言わないうちに一跳びでベッドから出ると赤頭巾を飲み込んでしまいました。

狼は食べ終わると、またベッドに寝て、眠りこみ、とても大きないびきをかき始めました。猟師がちょうど家をとおりがかり、「おばあさんはなんといういびきをかいているんだ。大丈夫かちょっと見てみなくては。」と思いました。

それで猟師は部屋に入り、ベッドに来てみると狼が寝ているのが見えました。「お前をここで見つけるとは。この罰当りめ。」と猟師は言いました。「お前をずいぶん探したぞ。」それから狼を狙って撃とうとしたとき、(狼はおばあさんを飲み込んだかもしれない、ひょっとしてまだ助かるかもしれないな。)という気がしてきました。それで撃つのをやめ鋏をもってきて眠っている狼の腹を切り開き始めました。チョキチョキと2回切ると、赤い頭巾が輝いているのが見え、またチョキチョキ2回切りました。すると小さな女の子が飛び出て、「ああ、とても怖かったわ。狼のお腹の中の暗かったこと!」と叫びました。

赤ずきん メルヘン画像: Otto Kubel (1868 – 1951)

そのあと、年とったおばあさんも生きて出てきましたが、息も絶え絶えでした。ところで、赤頭巾は急いで大きな石をとってきて、狼のお腹に詰めました。狼は目が覚めると逃げようとしましたが、石が重すぎてすぐにくず折れ死んで倒れました。

それで三人は喜びました。猟師は狼の皮をはぎ、家に持ち帰りました。おばあさんは赤頭巾がもってきたケーキを食べ、ワインを飲みましたが、赤頭巾は(これからは、おかあさんがそうしちゃいけないって言ってるとき、一人で道を出て、森へ走っていかないわ。)と思いました。

赤ずきん メルヘン画像: Paul Hey (1867 – 1952)

こういう話もありました。あるとき、赤頭巾はまたおばあさんにケーキをもっていったとき、別の狼が話しかけてきて、赤頭巾を道からはずそうと誘いました。しかし、赤頭巾は警戒して、まっすぐ道を進み、おばあさんに、狼に会ったの、狼が私にお早うと言ったけれど目つきがとても悪かったわ、みんなの歩く道にいなかったらきっと私を食べていたでしょうね、と話しました。「じゃあ」とおばあさんは言いました。「狼が入って来ないように戸を閉めましょう。」そのあとまもなく、狼が戸をたたき、「おばあさん、戸を開けて、赤頭巾よ、ケーキを持って来てるの。」と叫びました。しかし、二人は口を言わないし、戸も開けませんでした。それで灰色ひげの狼は家のまわりを2,3回忍び歩き、とうとう屋根に飛び乗りました。そこで待って、赤頭巾が夕方に家に帰るとき、こっそりあとをつけ、暗闇にまぎれてたべようと思ったのです。しかし、おばあさんは狼の心の中を知っていました。それで子供に言いました。「赤頭巾、家の前に大きな石のこね鉢がある。手おけをとってきて。昨日ソーセージを作ったんだ。私がソーセージをゆでたお湯をこね鉢に運んでおいで。」赤頭巾は大きなこね鉢がすっかりいっぱいになるまでお湯を運びました。するとソーセージの匂いが狼に届き、狼は鼻をヒクヒクさせ、下を覗き、首をあまりのばしすぎたので、もう足で支え切れなくなり、すべり出し、屋根からまっすぐ大きなこね鉢に滑り落ち、溺れてしまいました。一方赤頭巾は楽しく家に帰り、誰も二度と赤頭巾に悪さをするものはいませんでした。

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背景情報

解釈

言語

『赤ずきん』はグリム兄弟によって広められた有名な童話で、赤い頭巾をかぶった少女が狼に出会う冒険を描いています。この物語は、人間の無邪気さと警戒心の欠如が引き起こす危険、そして最終的には知恵と助けによって乗り越えられる困難をテーマにしています。

物語は、赤頭巾と呼ばれる少女が病気のおばあさんのためにケーキとワインを持って森を訪れるところから始まります。途中で出会った狼は、赤頭巾の無邪気さにつけ込み、彼女からおばあさんの家の場所を聞き出します。狼は先回りしておばあさんを食べ、さらに赤頭巾をも飲み込んでしまいます。しかし、猟師が狼を見つけ、赤頭巾とおばあさんを助け出します。その後、おばあさんと赤頭巾は狼の新たな襲撃を警戒し、屋根から滑り落ちた狼を撃退します。

この物語は、子供たちに対する警告として多くの教訓を含んでいます。特に、親や大人の言いつけを守ること、見知らぬ人や怪しい人物には警戒することの重要性を教えています。また、危険からの救助や問題解決には知恵と協力が必要であることも示されています。

『赤ずきん』は、物語の締めくくりで赤頭巾自身が自分の行動を反省し、再び危険な目に遭わないよう気をつけると心に決めることで、成長と学びのプロセスを描いています。このように、『赤ずきん』は単に興味深い物語であるだけでなく、教育的側面を持つ作品として、多くの国で長年親しまれています。

この「赤ずきん」には、グリム兄弟によって語られた伝統的なストーリーが含まれていますが、その背後にはさまざまな解釈や教訓が詰まっています。以下はこの物語に関するいくつかの解釈です:

聴き分けや注意深さの重要性: 物語の冒頭で、赤ずきんのお母さんが彼女に対して与えるアドバイスは、常に注意深く、道から外れてはいけないという教訓を含んでいます。これは子供たちに、親や保護者の言葉に耳を傾けることの重要性を教えています。

欺瞞への警戒: 狼は赤ずきんに優しく話しかけ、彼女をだますことで自分の目的を果たそうとします。このことは、見知らぬ人に対する警戒心や、外見や言葉だけで判断してはいけないことを教えています。

無垢さと成長: 赤ずきんは物語の中で無垢な少女として描かれていますが、経験を通じて成長します。狼との出会いから学んだことにより、彼女は最後には賢く行動するようになります。

悪に対する勝利: 結末で、赤ずきんとおばあさんが助け出され、狼が倒される展開は、悪に対する善の勝利を象徴しています。コミュニティと家族の協力が、困難に打ち勝つ力を持つことを示しています。

再挑戦と克服: 最後の部分では、別の狼が登場しますが、赤ずきんとおばあさんはすでに経験に基づいた対策を講じることで、再び問題を乗り越えます。これは、過去の経験から学び、将来の困難を乗り越える術を身につけることの重要性を示しています。

この物語は、表面的には単純な子供向けのおとぎ話に見えますが、実際には人間の経験、危険への対処、そして成長についての普遍的な教訓を含んでいます。

「赤ずきん」の物語は、グリム兄弟による有名な童話の一つで、さまざまな文化や時代にわたって多くの分析や解釈が行われてきました。この物語における言語学的特徴やテーマには、いくつかの興味深いポイントがあります。

言語学的特徴

直線的なプロット構造: 物語は簡潔かつ直線的な構造を持っています。赤ずきんが母親から使命を与えられ、狼に遭遇し、危険に陥り、最終的に救われるという一連の流れが明確です。

会話の豊富さ: 会話が物語の進行において重要な役割を果たしており、登場人物の性格や関係性が対話を通じて描かれています。特に、赤ずきんと狼、おばあさんとのやり取りが中心です。

繰り返しの表現: おばあさんと赤ずきんが狼と対峙した際の「耳が大きい」「目が大きい」などの繰り返しは、読者に緊張感を持たせ、物語のリズムを作ります。

テーマ

純真と危険の対比: 赤ずきんの純真さと、狼の狡猾さとの対比が物語の中心にあります。これは、子供たちに対して、世間の危険に対する警戒心を促すメッセージともとらえられます。

成長と学び: 赤ずきんは物語の中で、母親の言いつけを守らなかったことから危険な目に遭いますが、最後には重要な教訓を得るという成長のプロセスが描かれています。

救済と正義: 最終的には、猟師による救出という形で正義が施され、悪である狼は制裁を受けるという物語上のカタルシスが提供されます。

自然と人間の関係: 森という自然の中での出来事は、人間が自然に対して持つ畏敬の念や恐れを反映しているとも言えます。

言語学的にもテーマ的にも、この物語は非常に象徴的であり、多くの社会的・心理的側面を語っています。それが「赤ずきん」が長年にわたって愛され、さまざまな解釈を生んできた理由の一つです。

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