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森のなかのヨーゼフ聖者
Grimm Märchen

森のなかのヨーゼフ聖者 - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 8 分

昔、娘が三人いる母親がいました。一番上の娘は無作法で意地悪な子で、二番目の娘は欠点はあるもののずっとましでしたが、一番下の娘は信心深く良い子供でした。ところが、母親はとても変わっていて、一番可愛がったのは一番上の娘で、一番下の娘には我慢できませんでした。こういうわけでこの娘を厄介払いするためによく大きな森にやりました。というのはその娘が道に迷い、二度と戻らないだろうと考えたからです。しかし、どの良い子にもついている守護天使がこの子を見捨てないでいつも正しい道に連れていきました。

ところがあるとき、守護天使がまるでそこにいないかのように、子供は森から抜ける道を見つけられませんでした。ずっと歩き続けていると、とうとう夕方になりました。すると遠くに小さな明かりが光っているのが見えたので、娘はすぐにそちらに走っていき、小さなあばら屋に着きました。戸をたたくと、戸が開き、中に二つ目の戸があり、その戸もたたきました。雪のように白いひげを生やし、尊そうにみえるおじいさんが戸を開けてくれました。この人は他ならぬヨーゼフ聖者でした。おじいさんはとてもやさしく言いました。「おいで、かわいい子よ、火のそばの私の小さな椅子に座って暖まりなさい。喉が渇いているならきれいな水をとってきてあげよう。食べ物は小さな根が二、三本しかないんだが、おまえはさきにその皮をそいで煮なくてはいけないよ。」ヨーゼフ聖者は娘に根を渡しました。娘はきれいに皮をそぎ、そのとき母親が持たせたパンケーキとパンがあったので、それを鍋に入れて一緒に混ぜ、煮て自分の濃いスープを作りました。

支度ができると、ヨーゼフ聖者は、「私はとてもお腹がすいているんだ。お前の食べ物をすこしおくれ。」と言いました。子供はすぐに、いいですよ、と言って、自分にとっておくよりも多くあげました。しかし神様の祝福があったので娘はお腹がいっぱいになりました。食べ終わると、ヨーゼフ聖者は、「さあ、寝よう。だけど、ベッドが一つしかないから、お前はそのベッドに寝なさい。私は床にわらをしいて寝るから。」と言いました。「いいえ」と娘は答えました。「ご自分のベッドに寝てください。私にはわらで十分柔らかいですから。」

しかし、ヨーゼフ聖者は、子供を抱きかかえ、小さなベッドに寝かせました。そこで娘はお祈りをし、眠りました。次の朝娘は目を覚まし、お早うございますと言おうとしましたが、ヨーゼフ聖者が見当たりませんでした。それで起きて探しましたがどこにも見つけられませんでした。最後に娘は戸の後ろに、重くてやっと持てるくらいお金の入った袋に気づきました。その袋には、ゆうべここで眠った子供にあげます、と書いてありました。それで娘はその袋を持って出て、無事に母親のところに着きました。娘は母親にお金を全部あげたので、母親は文句をつけようがありませんでした。

次の日、二番目の子供も森へ行きたがりました。母親はこの子にずっと大きいパンケーキとパンをあげました。最初の子供と全く同じことが起こり、夕方に娘はヨーゼフ聖者の小さなあばら屋に来ました。ヨーゼフ聖者は娘に濃いスープをつくる根を渡しました。支度ができると、ヨーゼフ聖者はまた娘に、「私はとてもお腹がすいているんだ。お前の食べ物をすこしおくれ。」と言いました。すると、子供は、「一緒に食べていいわよ。」と言いました。そのあと、ヨーゼフ聖者が娘に自分のベッドを使うよう言い、自分はわらに寝ようとしたら、娘は、「いいえ、自分のベッドに寝てください。二人とも寝られるくらい広いですよ。」と答えました。ヨーゼフ聖者は娘を抱きかかえベッドに寝かせ、自分はわらに寝ました。

朝に子供が目覚め、ヨーゼフ聖者を探しましたが、もう消えてしまっていました。しかし、戸の後ろに、手の大きさくらいのお金の入った袋を見つけました。その袋には、ゆうべここで眠った子供にあげます、と書いてありました。それで娘はその袋を持って走って家に帰り、それを母親に持って行きましたが、こっそりと2枚お金をくすねました。

今度は一番上の娘が森へ行ってみたくなり、次の朝、自分も森へでかけると言い張りました。母親は娘に欲しいだけパンケーキをもたせ、パンとチーズもあげました。夕方に他の二人の娘が見つけたのと全く同じに、小さな家にいるヨーゼフ聖者を見つけました。スープの用意ができると、ヨーゼフ聖者は、「私はとてもお腹がすいているんだ。お前の食べ物をすこしおくれ。」と言いました。娘は、「私のお腹がいっぱいになるまで待って。それで残ったら食べて。」と答えました。しかし、娘はほとんど全部を食べてしまい、ヨーゼフ聖者は、食べ物を皿からこすり取るしかありませんでした。そのあと、やさしいおじいさんは娘に自分のベッドを与え、自分はわらに寝ようとしました。娘は何も反対しないで受け取り、小さなベッドに寝て、白髪の男を固いわらに寝かせておきました。

次の朝目覚めるとヨーゼフ聖者が見当たりませんでしたが、娘はそんなことを気にかけませんでした。金袋を探して戸のかげを見ました。何か床にあると思いましたが、それが何かあまりよくみわけられなかったので、かがみこんで、よく調べてみましたが、それは自分の鼻先にぶら下がったままでした。そしてまた体を起こしてみてわかりました。びっくりしたことに、それは自分の鼻にしっかりくっついてぶらさがっている二つ目の鼻でした。

それで娘は泣き叫びましたが、どうにもなりませんでした。長く伸びているので、いつも鼻の上にあるのがどうしても見えてしまうのでした。それから走って外へ出て、泣き叫んで走り続けていると、とうとうヨーゼフ聖者に会いました。娘がその足元に伏して頼み続けたので、とうとう可哀そうになったヨーゼフ聖者は、またその鼻をとってやり、おまけに2ペニーも娘にあげました。娘が家に帰ると、母親は戸口に立っていて、「お前は何をもらったんだい?」と尋ねました。すると娘は嘘をついて、「大きな袋のお金よ。でも途中で落としてしまったわ。」と言いました。「落とした!」と母親は叫びました。「まあ、だけどすぐ見つけるわ。」そして娘の手をとり一緒に探しに行こうとしました。最初娘は泣きだして行きたがらなかったのですが、しまいには行きました。ところが、途中で、たくさんのトカゲや蛇が二人に襲いかかってきて、どう防いだらよいかわかりませんでした。とうとうこの意地悪な子供は刺されて死に、母親は、もっとよい子供に育てなかった罰で足を刺されました。

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背景情報

解釈

言語

この物語は、グリム兄弟による「森のなかのヨーゼフ聖者」という作品の一部です。この物語は、善良さ、信仰、そして無私の精神の重要性を教える寓話として位置づけられています。物語の中心には、三人の娘とそれぞれの娘に対する母親の異なる愛情が描かれ、物語の進行に伴い、娘たちの個性と行動が彼女たち自身に返ってくる形で物語が展開されます。

一番下の娘が表すのは、優しさと無私の精神です。彼女は純粋で信心深く、与えることの大切さを知っています。結果的に彼女は報われ、ヨーゼフ聖者から多くの祝福を受けます。

二番目の娘は、最初の娘ほど純粋ではないものの、ある程度の優しさを持ち合わせています。彼女もまた祝福を受けますが、その量は一番下の娘に比べると少なめです。

一番上の娘は自己中心的で無慈悲です。この性質が彼女に不幸を招き、ヨーゼフ聖者から呪いを受けることになります。物語は、娘たちの行動がそれぞれの運命にどう影響するかを描くことで、行動と結果の関係を示唆しています。

この物語が教えるのは、他者に対する思いやりや優しさがいかに大切であるか、またその価値がどのように報われるかです。対照的に、自己中心的で利己的な行動は最終的に不幸を招くことを示しています。物語は、道徳的な教訓を子供たちに伝えるためのものであり、グリム兄弟が集めた多くの民話と同様に、時代を超えて教訓を伝える役割を果たしています。

この物語は、「森のなかのヨーゼフ聖者」というグリム兄弟の童話で、善良さと信仰心の報い、そして自己中心的で意地悪な態度への罰をテーマにしています。物語の中心には三人の娘がおり、それぞれの行動や性格によって異なる運命をたどります。

信心深く良い子供である一番下の娘は、ヨーゼフ聖者の家での試練を通じて、無私の心で親切に振る舞います。その結果、豊かな報いを受け、母親のもとに無事に帰ります。二番目の娘もある程度親切ですが、多少の誠実さの欠如が見られ、そのため報酬は控えめです。一方で、最も自己中心的で意地悪な一番上の娘は、ヨーゼフ聖者に対して無礼な態度をとり、自分の利益しか考えません。その結果、彼女は罰を受け、最終的には悲劇的な結末を迎えます。

物語は、他者に対する思いやりと自己犠牲の重要性、そして神聖な存在や力が見守っているという信仰心を教えています。また、親が子供に対して不公平な愛情を注ぐことの危険性についても示唆しています。善行は報われ、悪行は罰せられるという教訓的なメッセージが含まれています。

The tale of „Saint Joseph in the Forest“ by the Brothers Grimm presents a story with a deep moral and several layers that can be analyzed from a linguistic and thematic perspective.
Here’s a brief analysis:

Linguistic Analysis

Language and Style: The language used in the tale is straightforward and characteristic of folk tales, employing simple sentences and a narrative style that is accessible to readers of all ages. Dialogues are direct and reveal the character’s nature and emotions. For instance, the interactions between the daughters and Saint Joseph reflect their personalities and values.

Repetition and Structure: The tale follows a repetitive structure where each of the three daughters undergoes a similar experience, which is a common technique in folk narratives. This repetition helps to emphasize the moral lessons and makes the story easier to remember and retell.

Use of Symbolism: The characters and events in the story symbolize broader moral lessons. For example, the different reactions of the daughters to the kindness and requests of Saint Joseph symbolize varying degrees of virtue and vice.

Thematic Analysis

Moral Lessons: The tale highlights the virtues of kindness, generosity, and faith. The youngest daughter, who is described as pious and selfless, is rewarded for her good nature. Conversely, the eldest daughter’s greed and unkindness lead to her downfall, illustrating the consequences of selfish behavior.

Role of Divine Intervention: The presence of a guardian angel and the appearance of Saint Joseph introduce the theme of divine intervention, suggesting that higher powers watch over and reward the virtuous while punishing the wicked.

Family Dynamics: The story also explores family dynamics and favoritism. The mother’s preference for the eldest daughter and her neglect of the youngest highlight the unjust nature of favoritism and its impact on family relations.

Transformation and Redemption: The tale features elements of transformation, as seen in the punishment of the eldest daughter with an extra nose, which serves as a physical manifestation of her inner flaws. The possibility of redemption is also present, as evidenced by Saint Joseph’s willingness to remove the extra nose when the eldest daughter pleads for forgiveness.

In essence, „Saint Joseph in the Forest“ combines simple storytelling with rich moral and ethical lessons, using linguistic elements that make the story both engaging and instructive. The tale’s enduring popularity can be attributed to its timeless messages about virtue, vice, and the justice that comes from divine and moral order.

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