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ガラス瓶の中の化け物
Grimm Märchen

ガラス瓶の中の化け物 - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 12 分

昔、朝早くから夜遅くまで精を出して働く貧しい木こりがいました。やっといくらかお金を貯めたとき木こりは息子に、「お前はおれのたった一人の子供だ。おれは汗水流して稼いだ金をお前の教育に使うよ。お前がなにかまともな仕事を覚えれば、おれが年とって、手足がこわばり、家にいなければならなくなったとき、養うことができるよな。」と言いました。

そこで男の子は高校へ入り、熱心に学んだので教師たちは誉め、男の子は長い間そこにいました。2年終えたけれどまだ全部覚えきったわけではなかったとき、父親が稼いだ少しのお金が使い果たされてしまい、男の子は父親のところへ戻るしかなくなりました。

「あ~あ、もうお前にあげられない。この厳しい時世では毎日のパンを買うのに十分なだけで、それ以上は一ファージングも稼げないんだ。」と父親は悲しそうに言いました。「おとうさん」と息子は答えました。「そんなこと心配しないで。もしそれが神様のおぼしめしなら、将来ぼくの役にたつようになるんだよ。僕は早くそれに慣れようと思うよ。」父親が木を切って束ねる手伝いでお金を稼ごうと森へでかけようとすると、息子が「僕も一緒に行って手伝うよ。」と言いました。「だめだよ、お前」と父親は言いました。「お前には難しいだろうよ。お前は荒仕事には慣れていない、だから耐えられないだろう。それに、斧が一丁しかないし、もう一丁買う金も残ってないよ。」「いいから隣に行ってよ。」と息子は答えました。「僕が自分のを一丁買うまで斧を貸してくれるさ。」

それで父親は隣の人の斧を借り、次の朝夜明けに二人は一緒に森に出かけました。息子は父親を手伝い、仕事をとても快活にてきぱきとやりました。しかし、太陽がちょうど頭の上にきたとき、父親は「休んで昼飯を食べよう。そうしたら二倍働けるぞ。」と言いました。息子はパンを手に持って、「お父さん、お父さんは休んでいて。僕は疲れてないよ。森をちょっとあちこち歩いて、鳥の巣を探すんだ。」と言いました。「もう、呆れたやつ」と父親は言いました。「なんでそこらを走り回るんだ?あとで疲れて、もう腕をあげられなくなるぞ。ここにいて、おれのそばに座ってろ。」

しかし、息子は森へ入って行き、パンを食べ、とても浮かれて、どこかに鳥の巣を見つけられないか確かめるために緑の枝の間を覗きこんでいました。それであちこち歩いて、ついに物騒にみえる大きなカシの木に来ました。その木は確かにもう何百年もたっていて、5人でも幹を囲めないくらいでした。息子はじっと立ってその木を眺め、(この木にはたくさんの鳥が巣を作ったに違いない)と思いました。すると突然声が聞こえたような気がしました。息子は耳を傾け、だれかがくぐもった声で「出してくれ、出してくれ」と叫んでいるとわかりました。周りを見回しましたが何もみつかりませんでした。それで声が地面からきているのかなと思い、「どこにいるんだ?」と叫びました。声が「ここカシの木の根の間にいるんだよ。出してくれ、出してくれ」と答えました。

息子は木の下の土を掘って根の間を探し始めました。そしてとうとう小さなくぼみにガラスのビンを見つけました。そのビンを持ち上げて光にかざしてみると、蛙のような形をした生き物がその中で跳びはねているのが見えました。「出してくれ、出してくれ」その生き物はあらためて叫びました。そして男の子は悪いことが起こるだろうとは考えないで、ビンの栓を抜きました。あっという間に魔物がそこから立ち昇り、大きくなりはじめました。

ガラス瓶の中の化け物 メルヘン

そしてとても速く大きくなったので、ほどなくして男の子の前に立っていました。その木の半分ほども大きい恐ろしい魔物でした。「知ってるか?」と魔物は恐ろしい声で言いました、「おれをだしたほうびは何か?」「いや」、男の子は恐れて答えました、「知るわけがないでしょ?」「じゃあ教えてやろう」と魔物は言いました、「お前を絞め殺すのさ」「もっとはやくそれを言ってくれればいいのに」と学生は言いました、「そうしたら閉じ込めたままにしておいたのに。

だけどなんとしても僕の頭を曲げたりするのはやめてくれ。それについてもっとたくさんの人と相談してくれよ。」「こっちに他の人たち、あっちに他の人たちか?ふん。おまえはやってくれたほうびを受けるんだ。おれがこんなに長い間喜んで閉じ込められていたと思うか?そんなことはない。これはおれへの罰だった。おれは強力メルクリウスだ。おれを解き放したものは絞め殺さねばならぬ。」「ま、ま、ちょっと」と若者は答えました、「そんなに急がないで。君が本当にあの小さいビンに閉じ込められていたのかまず知らなくてはね。それに君が本当の魔物なのかも知らないと。もし、本当にきみがまた入れるなら、信じるから君がしたいようにすればいいよ」魔物は「そんなのはわけないことさ。」と横柄に言うと、縮まっていき、はじめと同じくらい小さく細くなりました。それで、小さいビンの口から入り、またビンの首もす~と通りました。魔物が中に入るとすぐ、男の子はビンの中に前に抜いた栓をおしこみ、カシの木の根元の前にあった場所に投げました。魔物は騙されたのです。

そうして学生が父親のところへ戻ろうとしましたが、魔物はとても哀れっぽく「ああ、お願いだから出してくれよ、お願い」とさけびました。「だめだ。2回目は無いよ。一度命をとろうとした奴を自由にしないよ、また捕まえたからにはね。」と学生は答えました。「自由にしてくれたら、たくさんのお礼をして一生困らないようにしてあげるよ。」と魔物は言いました。「だめ。お前ははじめそうしたようにだますだろ。」と学生は答えました。「おまえは、幸運をはねつけているんだよ。なにも悪いことをしないでたっぷりお礼をするよ。」と魔物は言いました。学生は「やってみようかな。ひょっとして奴は約束を守るかもしれない。とにかく僕は奴に言い負かされたりしないよ。」

それで学生が栓をぬくと魔物は前と同じようにビンから立ち昇り、伸びて巨人と同じ大きさになりました。「さあお礼をあげよう。」と魔物は言って、学生に絆創膏のようなぼろ切れを渡し、「傷の上にこれの一方の端を広げれば傷が治る、もう一方の端ではがねや鉄をこすれば銀に変わるよ。」と言いました。「試してみるよ。」と学生は言って、木のところに行き、斧で皮を切り裂き、その絆創膏の片端でこすりました。傷口はすぐに閉じ治りました。「うん、大丈夫だ。じゃあ別れよう」と魔物に言いました。魔物はビンから出してくれたお礼をいい、学生は魔物に贈り物の礼を言って父親のところに戻りました。

「どこを走り回っていたんだ?何で仕事を忘れた?お前は何にもものにできないっておれはいつも言ってたよな。」と父親は言いました。「まあまあ、お父さん、これから取り返すよ。」「取り返すだって、まったくもう。無駄だよ。」と父親は怒って言いました。「気をつけて、おとうさん、じきあの木を切って、
割れるから。」そして息子は絆創膏をとり、斧をそれでこすり、力を入れて打ちおろしましたが、鉄が銀に変わっていたので、刃が曲がりました。「ねえ、お父さん、どんなひどい斧をよこしたか見てよ。曲がっちゃったよ。」父親は驚いて「ああ、何て事をしたんだよ!今度はそれを弁償しなくちゃならないよ。しかもその金はないんだよ。お前の仕事でおれが得たのはこれだけだ。」と言いました。「怒らないで、お父さん」と息子は言いました、「僕がすぐ斧を弁償するよ。」「この馬鹿野郎!」と父親は言いました。「なんで弁償する気だ?お前はおれがあげるものの他は何もないじゃないか。こんなのはお前のあたまにこびりついている学生の屁理屈だ。お前は木こりのことを何もわかっちゃいないよ。」

しばらくして息子は「お父さん、僕、本当にもう働けないよ。今日は休日にしよう。」と言いました。「はあ、何だって?おれがお前のように膝に手をおいて座ってると思うのか?おれは仕事を続けなきゃ。だけどお前は休んで家に帰っていいよ。」と父親は言いました。「お父さん、初めてここの森に来たから一人では道がわからないよ。頼むから一緒に帰ってよ。」腹立ちがもうおさまっていたので、父親はとうとう説き伏せられて息子と一緒に帰りました。それから息子に「行ってその壊れた斧を売ってこい。いくらもらえるかみてみろ。それでおれは隣に払うために差額を稼がなくちゃならん。」と言いました。

息子は斧を持ち、町の金細工師のところに行きました。金細工師は斧を調べて、秤にかけ、「400ターラーの値打ちがある。それだけたくさん現金が手元にはありませんよ。」と言いました。息子は「今あるだけ下さい。残りは貸しておきます。」と言いました。金細工師は300ターラーを渡し、100ターラーを借金に残しました。それで息子は家に帰り、「お父さん、お金をもってきたよ。隣へ行って斧の代金をいくら欲しいか訊いてきて。」と言いました。「もう知ってるよ。1ターラー6グロッシェンだ。」と年とった男は言いました。「じゃあ、2ターラー24グロッシェン渡して。それだと2倍で十分だよ。ほらね、お金たくさんあるでしょ。」と息子は父親に100ターラー渡して、「これからお金に苦労させないよ、好きなだけ楽に暮らしてね。」と言いました。

「なんとまあ、どうやってこんな金を手に入れたんだい?」と父親は言いました。それで息子はどうしてそうなったか、また自分の運を信じて、そんな布を得たんだ、と話しました。しかし、残りのお金で息子は高校に戻り、もっと学業を続け、絆創膏でどんな傷も治せるので、世界中でもっとも有名な医者になりました。

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背景情報

解釈

言語

「ガラス瓶の中の化け物」は、グリム兄弟による一つの物語で、勤勉さや機知が困難な状況をどのように打破するかを描いています。この物語は、貧しい木こりの息子が魔物を偶然にも助けたことで得た報酬を活用し、自らと家族の運命を変えていく様を示しています。この物語では、以下のようなテーマや教訓が挙げられます。

勤勉さと教育の重要性: 物語の冒頭では、父親が息子に教育を受けさせるために苦労して貯めたお金を使います。そしてその結果、息子は学問に励み、後に有利に人生を進めることができました。

機知と知恵の価値: 息子は機知を働かせ、巨大な魔物を再び瓶の中に閉じ込め、二度目の機会を得ることができます。知恵を駆使することで困難を克服する力を教えています。

信頼と報酬: 息子は二度目には魔物の言葉を信じて解放し、その結果として魔物から魔法の絆創膏を報酬として得ます。これにより、信頼関係や善意が良い結果をもたらすこともあることが示唆されています。

転機としての魔法や運: 魔物からの贈り物を受けた息子は、それを生かして新たな道を切り開きます。生活における思わぬ転機や運命のチャンスが如何に変化をもたらすかが描かれています。

この物語は、彼自身や家族の幸せを追求し続けることの大切さを教え、読者に楽しいながらも意味深いメッセージを届けるために、ファンタジーの要素を借りています。

この物語はグリム兄弟による「ガラス瓶の中の化け物」というメルヘンです。この話にはいくつかの興味深いテーマや教訓があります。

教育と親の愛: 物語は、父親が息子の教育のために貯めたお金を喜んで使うというところから始まります。親が子供の将来を思って教育に投資する姿が描かれています。

知恵と油断ならなさ: 息子は、怪物を再び瓶に閉じ込めるために知恵を使います。彼は一度騙されかけましたが、自分の知恵で切り抜け、最終的に報酬を得ることができました。

約束と信頼: 怪物は、解放してくれれば報酬を与えると約束します。息子は一度は信じないものの、最終的には怪物の言葉を信じて解放し、お礼として魔法の絆創膏を得ます。この絆創膏が後に大きな利益をもたらします。

勤勉と成功: 息子は魔法の力を利用して成功を収めますが、これは単なる幸運ではなく、その知恵と努力によるものです。その後、学業を続け、有名な医者となる姿は、努力の重要性を示しています。

この物語は、知恵と努力が報われること、また約束や信頼の大切さを教えてくれる物語です。息子の成長や父親の愛情が描かれていて、読む者に深い印象を与えます。

「ガラス瓶の中の化け物」というグリム兄弟の物語の言語学的分析は、さまざまな要素を通じて興味深い観察を提供します。この物語は、典型的なメルヘンの要素を持ちながらも、独自の教訓やテーマを持つ作品です。

登場人物とプロットの分析

木こりとその息子: この物語の中心にいるのは、貧しいながらも息子の教育に投資する木こりと、その息子です。彼らは、教育や労働の価値についての考え方を象徴しています。父親は実直な労働者としての生涯を送っていますが、息子は学業を通じて異なる人生を志向しています。

魔物: ガラス瓶に閉じ込められた魔物は、解放されると危害を加えるという二面性を持つキャラクターです。この魔物は恐ろしさと危険性を象徴すると同時に、知恵を試される挑戦として主人公の前に現れます。

言語使用とスタイル

簡潔で直接的な表現: グリム兄弟の物語には、簡潔でわかりやすい表現が用いられており、読者にダイレクトに物語のテーマや教訓を伝えることが特徴です。直線的なプロットとクリアな登場人物の動機が、物語全体を理解しやすくしています。

対話と行動を通じたキャラクターの発展: キャラクターの性格や重要なポイントは、主に対話と行動を通じて示されます。例えば、息子が知恵を使って魔物を再び瓶に閉じ込めるシーンは、彼の賢さや適応能力を強調します。

テーマと教訓

知恵と適応能力の重要性: 物語は、知恵と柔軟な適応能力が困難や試練を乗り越える鍵であることを示しています。息子が魔物を再び瓶に閉じ込める作戦や、最後に彼が名医となる過程などがこれを示唆しています。

教育と社会的成功の関連性: 父親が息子に教育を受けさせるために苦労する姿勢や、その教育が最終的に息子を成功に導くストーリー展開は、教育の力とその価値を強く訴えています。

メルヘン特有の要素

超自然的要素: ガラス瓶の中の魔物や魔法の絆創膏といった要素は、メルヘンらしい幻想的な要素を提供しています。これらは物語にファンタジーの色合いを加え、読者の興味を引き続けます。

モラルと教訓: 最終的に得られる教訓やモラルは、メルヘンの重要な特徴であり、読者に倫理的なメッセージを伝えます。この物語では、知恵と教育、正しい判断が強調されており、善悪や知恵に基づく選択の重要性を伝えています。

これらの要素は、グリム兄弟が紡ぐ物語の魅力を深めると同時に、今日でも読者にとって寓話としての意味を持ち続けています。

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