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三ぼんのみどりの枝
Grimm Märchen

三ぼんのみどりの枝 - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 7 分

昔、山の麓の森に住んでいる一人の世捨て人がいました。この人はお祈りとためになる仕事をして時を過ごし、毎晩神様をたたえて二桶の水を山の上に運びました。たくさんのけものがその水を飲み、たくさんの植物がそれで元気になりました。というのは高い山の上ではいつも強い風が吹き、空気と地面を乾かし、人間を恐れる野の鳥たちはそこで飛びまわり、鋭い目で飲み物をさがしているのですから。世捨て人はとても信心深いので、世捨て人の目には見えている神様の天使が、一緒に登ってその歩数を数え、その仕事が終わると、世捨て人に食べ物を運んできました。昔の預言者に神様の命令によってカラスが食べ物を運んだのと同じです。

世捨て人が神様を敬ってもうとても年をとっていたあるとき、たまたま遠くから可哀そうな罪人が首つり台にひかれていくのを見ました。世捨て人はうっかり、「ああ、あの人は当然の報いを受けるところだな」と独り言を言いました。夕方に、山に水を運び上げているとき、いつも一緒についてくる天使が現れなくて、食べ物も持ってきませんでした。それで世捨て人は驚いて、神様がそんなに怒っているのだから、自分の心の中をさぐりいったいどんな罪をおかしたのだろうかと考えてみましたが、わかりませんでした。それから、世捨て人は、何も食べず何も飲まず地にひれ伏して昼も夜も祈りました。

ある日、こうして森で激しく泣いていると、小鳥がきれいな声で楽しそうに鳴いているのが聞こえてきました。それで世捨て人はいっそう悩んで、言いました。「お前はなんて楽しそうなんだろう。神様はお前を怒っていないんだね。ああ、私がなぜ神様の怒りをかったのかお前が教えてくれたらいいのに。そうしたら私は償いをしてまたうれしくなれるのに。」

すると小鳥が口をきいて、「あなたは正しくないことをしました。首つり台につれられていく可哀そうな罪人を非難した時です。それを神様はお怒りなのですよ。神様だけが裁くのです。だけど、あなたが償いをし、罪を悔いあらためるなら、神様はお許しになります。」と言いました。そのとき、天使が手に一本の枯枝を持って世捨て人のそばに立ち、言いました。「三本の緑の小枝が出るまでこの枯枝をもちあるきなさい。しかし夜に眠るときは頭の下に置きなさい。家から家へ歩きパンをめぐんでもらい、同じ家では一晩より多くとどまらないようにしなさい。それが、神様がお前に課した償いです。」それで世捨て人はその枯枝を持ち、ずっと見ていなかった世の中へ戻って行きました。世捨て人は家々でもらうものの他は何も飲んだり食べたりしませんでした。しかし、断られたり、戸を開けてくれない家もたくさんあって、パンのひとかけらも口にしないこともよくありました。

あるとき朝から晩まで家々をまわり歩いて、誰も何もくれず、誰も夜泊らせてくれようとしませんでした。それで世捨て人は森へ入って行き、とうとうだれかが作ったほら穴をみつけました。そこにはおばあさんがいました。それで世捨て人は、「おばあさん、今晩あなたの家に泊めてもらえませんか?」と言いました。しかしおばあさんは、「いや、だめですよ。泊めてあげたくても、意地悪で乱暴な息子が三人いるんです。今は強盗をしにでかけているけど、戻ってきてあなたを見つけたら、私たち二人とも殺しますよ。」と言いました。世捨て人は、「泊らせてください。息子さんたちはあなたや私に悪いことをしないでしょう。」と言いました。おばあさんは可哀そうになり、承知しました。

そこで世捨て人は階段の下に横になり、頭の下に枯枝を置きました。おばあさんは世捨て人がやったことを見ていて、どうしてそうするんですか、と尋ねました。それで、世捨て人は、償いでその木を持ち歩き、夜は枕に使うこと、可哀そうな罪人が首つり台に向かうのを見た時当然の報いを受けていると言って、神様を怒らせたことを話しました。するとおばあさんは泣きだして、「もし神様がたった一言で罰するなら、息子たちは、神様の前で裁きをうけるとき、どうなるのでしょう」と叫びました。

真夜中に強盗たちは帰ってきて、わめきちらし大騒ぎしました。火をたき、ほら穴があかるくなると、男が階段の下に寝ているのが目に入り、強盗たちは怒りだして母親にどなりました。「あの男は誰だ?誰も入れるなと言っておかなかったか?」すると母親は、「ほっておきな。罪を償っている可哀そうな罪人だよ。」と言いました。強盗たちが「あいつは何をしたんだ?」と尋ねました、「おい、じいさん、あんたの罪を教えてくれ」世捨て人は体を起こし、自分が一言言って神様が怒り、この罪を今つぐなっているところだと強盗たちに話しました。強盗たちはこの話を聞いて、強く心を打たれ、今までの自分たちのくらしにショックをうけ、かえり見て、心から悔い改め、そのざんげをし始めました。世捨て人は、三人の罪人を改心させたあと、また階段の下に横になり眠りました。しかし、朝になると、強盗たちは世捨て人が死んでるのがわかりました。そして枕にしていた枯枝からは三本の緑の枝が高く伸びていました。こうして神様はまた世捨て人に目をかけて受け入れてくれたのでした。

別の短いおとぎ話を読む(5分)

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背景情報

解釈

言語

この物語は、グリム兄弟による「三本のみどりの枝」というメルヘンです。この物語の中心テーマは、罪の認識と悔い改め、そして神の赦しです。物語の主要な要素を以下にまとめます。

世捨て人の信仰と清浄:世捨て人は、信心深く、日々神に仕えながら森で孤独に生活しています。彼の行動、特に山頂へ水を運ぶことは、自然や動物たちへの奉仕であり、彼の信仰の深さを示しています。

罪の意識:物語は、世捨て人が罪人を見たとき、その人物を裁く発言をしてしまい、その結果として神の怒りを買ったという点に焦点を当てています。彼はその行動を悔い、神の赦しを求めて自己反省を続けます。

償いの旅:天使から与えられた償いのための旅は、世捨て人が信仰を試されるものであり、枯枝が緑の枝を生やすまで続けられます。彼の悔い改めは、道ゆく中でさまざまな試練に直面しながらも、その信仰心を再確認させるものです。

他者への影響:物語のなかで、世捨て人の悔い改めの姿勢は、出会った強盗たちにまで影響を与え、彼らを改心させる役割を果たします。これにより、世捨て人の行動がどのように他者に変化をもたらすかが描かれています。

神の赦しと救済:物語は、枯枝が緑の枝に変わることで、世捨て人の償いが受け入れられたことを象徴しています。これにより、彼の魂は救われ、物語は彼の信仰と正義が遂に報われる形で幕を閉じます。

この物語は、善行と悔い改めの価値、そして神の裁きと赦しへの信頼を伝えるものであり、多くの人々に深い教訓を与えています。

この物語は、グリム兄弟の「三本の緑の枝」という作品です。物語のテーマは、悔い改めと許し、そして他者に対する寛容さです。物語の主人公である世捨て人は、神への信仰深さを持ちながらも、自分の不用意な一言によって神の不興を買ってしまいます。それがきっかけとなり、世捨て人は自らの罪を償う旅に出ます。

物語の中で重要なのは、世捨て人が人々に対してどのように接し、そして人々が彼との関わりを通してどのように変わっていくかです。特に、強盗たちが彼との出会いを通じて改心し、過去の行いを悔い改める場面は、悔い改めの力と、信仰や善行が他者に与える影響を強調しています。世捨て人自身も、最後には自身の努力と悔い改めが認められ、神に受け入れられる形で物語は終わります。

世捨て人が枯枝を持ち歩くという象徴的な行為は、彼の悔い改めの旅を明示しています。そして最後に、三本の緑の枝が枯枝から伸びることは、彼の罪の赦しと新たな命の象徴として描かれています。この物語は、宗教的な教訓や道徳的なメッセージを伝えるだけでなく、人間の弱さと回復の可能性をも示唆しています。

このグリム兄弟の物語「三本のみどりの枝」は、道徳的な教訓を含んでいます。物語を分析すると、いくつかの重要なテーマが浮かび上がります。

悔恨と償い: 世捨て人は、無意識的に他者を裁いたことで神の怒りを買い、その償いの旅に出ることになります。このプロセスを通じて、正しい心を持ち続けることの重要性が強調されています。

神の裁きと許し: 神のみが真の裁きを行うことができるというテーマが中心にあります。世捨て人は他人を裁いたことで神の怒りを買いましたが、悔い改めと償いを通して赦しを受けます。これは、神の慈悲深さと公正さを表しています。

変容と救済: 物語の中で、強盗の改心は重要な転機となります。世捨て人の悔い改めの態度が強盗たちにも伝わり、彼ら自身も心を入れ替えます。これにより、物語は救済と変容の可能性を示しています。

自然界との調和: 世捨て人が山に水を運ぶ行為は、自然界との調和と共生を象徴しています。彼が動物や植物に貢献することで、自然と一体となる神の祝福を受けていることが示されています。

この物語は、他者を思いやる心の大切さや、自らの罪を認識し、悔い改めることで得られる救済を教えています。また、単に戒めるだけでなく、赦しと再生の希望も伝えている点で、人々に深い教訓を与えます。このような物語は、単にストーリーとして楽しむだけでなく、人生の指針や哲学的な洞察を提供するものとして、いまだに広く読まれている理由の一つです。

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