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みそさざい
Grimm Märchen

みそさざい - メルヘン グリム兄弟

読書の時間: 8 分

昔には、どの音にもまだ意味と意義がありました。鍛冶屋のハンマーの音がとどろくとき、「きたえろ、きたえろ」と叫んでいました。大工のかんなは削るとき、「ほら出るぞ、ほら出るぞ」と言いました。水車の車がカタカタ回り始めるなら、「助けて、神様、助けて、神様」と言いました。粉屋がずるい奴で水車を回すとき、水車は高度なドイツ語で話し、最初はゆっくり「そこにいるのは誰だ、そこにいるのは誰だ」と尋ね、そのあと素早く「粉屋、粉屋」と答え、最後にとても早口で、「堂々と盗む、堂々と盗む、一ガロンで三ペック」と言いました。

このころは鳥たちも誰でもわかる自分の言葉を持っていました。今はただチュンチュン、キィー、ピーピー、とか、時には言葉のない音楽のようにきこえるだけです。ところで、鳥たちは、治める者がいないままでいるのはもうやめて、自分たちの一人を王様に選ぼうと思いました。そのなかで一羽だけ、タゲリがこれに反対しました。タゲリは自由に生き、自由に死ぬつもりでいたので、心配して、あっちこっち飛んで、「どこへ行こうか?、どこへ行こうか?」と叫びました。寂しい誰も訪ねない沼地に引っ込んで、もう仲間のところに姿を現しませんでした。

鳥たちはこのことを話しあおうと思い、ある晴れた5月の朝に、森や野原からみんな集まって来ました。ワシ、ズアオアトリ、フクロウ、カラス、ヒバリ、スズメ、全部の名前を言いきれません。カッコウでさえも来たし、その受付係のヤツガシラも来ました。ヤツガシラはいつもカッコウの2,3日前に鳴き声が聞かれるので、そう呼ばれているのです。それからまだ名前がついていないとても小さな小鳥も群れに混じっていました。

めんどりはどういうわけかそのことについて何も聞いていなくて、ものすごい数の集会に度肝を抜かれ、「何だ?何だ?何がおっぱじまるの?」と鳴きました。しかしおんどりは、愛するめんどりを落ち着かせ、「金持ち連中だけだよ」と言って、手元にどれだけあるか話しました。一番高く飛ぶことができる者を王様にすると決められました。やぶに座っていたアマガエルが、それを聞いて、だめ、だめ、だめ、だめ、と警告して叫びました。そうしたらたくさんの者が涙を流すことになるだろうと思ったからです。しかし、カラスはカーカーと鳴いて、何でも平和にうまくいくさと言いました。

さて、このあとで、「もっと高く簡単に飛べたのに、夜がきてしまったから」と誰も言うことができないように、この晴れた朝にすぐに飛び上がることに決まりました。それで、合図で、全員が一斉に空に飛び上がっていき、地面から土煙が上がって、翼のパタパタ、ヒューン、バタバタとものすごい羽ばたきがあり、まるで黒い雲が昇っていくかのように見えました。

小さな鳥たちはすぐに遅れをとり、もう先へ進めなくなって地面に戻ってきました。大きめの鳥たちはもっと長くもちこたえましたが、ワシにかなうものはいませんでした。ワシはとても高く昇って、お日さまの目をつついて出せるほどでした。他の鳥たちがだれも追いついて来れないとわかって、ワシは「これ以上もっと高く飛ばなくていいや。おれが王様だ。」と考えて、また下りはじめました。ワシの下の鳥たちはすぐにワシに向かって、「きっと君が王様だよ。誰も君ほど高く飛んでいないよ。」と叫びました。

「僕以外はね。」と名無しの小さいやつが叫びました。この鳥はワシの胸毛の中に忍びこんでいたのです。それで全く疲れていなかったので、上がっていき、とても高く昇って天そのものに届きました。ところがここまで行ったとき、羽をたたんで、下に向かってはっきりとよく通る声で「僕が王様だ、僕が王様だ」と叫びました。「お前が?おれたちの王様?お前はずるとインチキをしたじゃないか」と鳥たちは怒って叫びました。

それで鳥たちは別の条件を作りました。地中の一番下までもぐることができた者を王様にする、というものです。カモは土の上を広い胸でどれだけパタパタたたいたことでしょう。おんどりはどんなに素早くひっかいて穴にしたでしょう。アヒルは一番悪い結果になりました。というのは溝に跳び込みましたが、脚をねん挫し、近くの池へ「ずるい、ずるい」と叫びながらよたよた歩いて去りました。ところが、名無しの小さな鳥はねずみの穴を探しだし、その中に滑り込んで、そこから小さな声で、「僕が王様だ、僕が王様だ」と叫びました。「お前が?おれたちの王様?お前のずるがみんなに通ると思うのか?」と鳥たちはさらに一層怒って叫びました。

鳥たちは、この名無し鳥をその穴に閉じ込めて飢え死にさせることにしました。フクロウがその前で番をし、自分の命と換えてもこの悪者を出さないことになりました。夜が来て鳥たちは力を出し切って跳んだのでとても疲れていて、妻や子供たちと家へ帰りました。フクロウだけが、ねずみの穴のそばにたったまま、大きな目でじっと穴を見つめていました。するとフクロウも疲れてきて、(片目はつぶってもまだもう一つの目で見張れるさ。それでちびっこの悪党は穴から出て来させないよ。)と思いました。それで片目をつぶり、もう一つの目でネズミの穴をまっすぐ見ていました。ちびすけは頭を出して覗き、ひょいと逃げようとしましたが、フクロウがすぐ前に出てきたので、ちびすけは頭をまたひっこめました。それから、フクロウは夜通しかわるがわる目を閉じようとして、つぶっていた目を開け、もう一方の目を閉じました。しかし、次に片目をつぶったとき、もう一方の目を開けることを忘れ、両方の目が閉じた途端、眠りこんでしまいました。

ちびすけはすぐにそれがわかり、ひょいと跳び出ました。その日から、フクロウは昼間姿を現すことは決してありませんでした。というのは、もし出ていけば、他の鳥たちが追いかけフクロウの羽をむしりとるからです。フクロウは夜だけ外に飛んででますが、そんな醜い穴をあけるねずみを嫌っておいかけるのです。小さな鳥も、つかまれば命にかかわると思うので、見られるのをとても嫌がります。それで垣根の中を忍び歩き、すっかり安全になると時々、「僕は王様だ」と鳴きます。こういうわけで、他の鳥たちはばかにして、この鳥を垣根の王様と呼びます。しかし、小さい王様に従わなくてよいことではヒバリほど喜んだ者はいませんでした。お日さまがでるとすぐ、ヒバリは空高く昇り、「ああ、なんて美しいんだ、美しい、美しい、何て美しい」と鳴きます。

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解釈

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この物語は『みそさざい』というタイトルのグリム兄弟の昔話で、鳥たちが王を選ぶために競争をする話です。物語の中で、鳥たちは最も高く飛べる者を王とすることを決めますが、ズルを使った小さな鳥(みそさざい)が最終的に王になるという風刺的な結末を迎えます。

物語は自然界や動物たちに擬人化した特徴を与えています。例えば、音や言葉を持っていた時代、鳥たちが話し合いをしている場面、フクロウが見張りをする場面などが登場します。この話は、ズルを使う者が一時的には成功するかもしれないが、最終的には偽善やズルは他者に認められないという教訓を含んでいます。また、フクロウが昼間に出られなくなった理由を説明するエピソードも含まれており、人間の世界と動物たちの生態を通して人生の真理や教訓を伝える目的があります。

この物語は、グリム童話の中でもユーモラスかつ風刺的な側面を持っており、単なる子供向けのファンタジーではなく、大人たちにも訴えかける内容になっています。鳥たちの行動を通じて、社会の中での競争や地位、そしてそれに伴う策略や不和を映し出しています。

このグリム兄弟の「みそさざい」という物語には、動物たちの社会やリーダーシップに関する寓話的な要素が含まれています。物語の中心は、鳥たちが集まり自分たちの王様を選ぼうとするプロセスであり、それに関連する出来事が展開されます。

ストーリーは、鳥たちが最も高く飛べる者を王様にしようと決めるところから始まります。この試みでは、ワシが最も高く飛ぶことができとても有望でしたが、実際には、みそさざい(小さな鳥)がワシの胸毛に隠れてさらに高く飛び、自分を王様だと主張します。しかし、鳥たちはそのやり方を不正行為とみなします。

次に、新しい挑戦として、最も深く地中に潜ることができる者を王様にするという試みが行われます。ここでも同様にみそさざいが賢さを利用して成功しますが、鳥たちの怒りを買い、罰として穴に閉じ込められてしまいます。しかし、フクロウが眠ってしまったすきに、みそさざいは逃げ出します。

この物語は、知恵とずる賢さ、そしてリーダーシップの真の姿についてのメッセージを伝えています。みそさざいのように小さくとも賢い者は、しばしば予想外の方法で成功を収めることがあり、またそのずる賢さが批判を招くこともあることを示しています。また、フクロウや他の鳥たちが示すように、責任や監視の重要性についても触れられています。最終的に、ヒバリのように自由に大空を楽しむことができれば、権力や地位にこだわる必要はないというメッセージも含まれているかもしれません。

この物語は、グリム兄弟によって書かれた寓話であり、動物たちが知恵や工夫を駆使して様々な挑戦に立ち向かう物語です。ここでは鳥たちが自分たちの王様を選ぶための競技を行うという設定で、最も高く飛べる者や地中深く潜れる者が選ばれることになっています。この物語を通じて、賢さ、狡猾さ、そして正直さの重要性が描かれています。

物語の中で特に注目されるのは、名もない小さな鳥がその狡猾さで王になろうとする点です。ワシの羽の中に忍び込むことで、自らの力を使わずに高く飛ぶことができ、また地中に潜る競技でもネズミの穴を利用することで自らの能力を超えて勝とうとします。しかし、ほかの鳥たちはその不正を許さず、小鳥はフクロウによって監視されることになります。

結局、その小さな鳥も、そしてフクロウ自身も、自分たちの行いが裏目に出てしまい、日中は隠れるような生活を余儀なくされます。この物語は、正直であることや、公正な競争を心がけることの大切さを教えてくれます。

また、この物語には音と言葉の関連性に関する考察も含まれており、昔の自然界の音には意味や意義があったという描写がなされています。全体を通じて、自然と共に生きることへの敬意や、コミュニティの中での信頼の重要性を示しているのかもしれません。


科学的分析のための情報

指標
Aarne-Thompson-Uther インデックスATU Typ 221
翻訳EN, ZH, ES, FR, RU, CZ, PT, DE, VI, TR, IT, PL, NL, RO, EL, HU, DA, FI, SE, BE, BG, SK, NO, LT
文字の数2.653
手紙の数2.400
文章の数77
直接話法の割合12,0%
モチーフ/タグ候補グリム兄弟
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