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梁の木
Grimm Märchen

梁の木 - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 2 分

あるとき、一人の魔法使いが大勢の人の真ん中で不思議な術をやって見せていました。おんどりを連れてこさせると、そのおんどりは重い梁をもちあげ、羽根のように軽々と運んだのです。ところが四つ葉のクローバーを見つけたばかりでとても賢くなっていたので、このめくらましがきかなかった娘がいました。娘には梁が一本のわらにしか見えませんでした。それで娘は、「みなさん、おんどりが運んでいるのはわらだってわからないの?梁じゃないわ。」と叫びました。途端に魔力が消えうせ、人々に本当のものが見え、魔法使いに恥をかかせて追い払いました。

ところが、魔法使いは、これを根にもって、「じきに仕返しをしてやる。」と言いました。しばらくしてその娘が結婚する日になりました。娘は着飾り、大勢の人の行列を作って畑を越えて教会がある場所へ行きました。突然、娘は水かさがふくれあがった小川にやってきましたが、渡る橋が何もありませんでした。そこで花嫁は服をたくし上げて、歩いて川を渡ろうとしました。こうして水の中に立っていたら、一人の男が娘のすぐそばで嘲って叫びました。「ははは、お前の目はどこにあるんだ?これを川だと思ってるなんてさ。」それはあの魔法使いでした。それで娘の目は開かれ、自分が亜麻の花で青くなっている畑の真ん中で服をたくし上げて立っているのだとわかりました。そうしてみんなにも同じように見えたので、娘をやいやいからかって笑い、追いはらいました。

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