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ヨリンデとヨリンゲル
ヨリンデとヨリンゲル Märchen

ヨリンデとヨリンゲル - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 7 分

昔、大きなうっそうとした森の真ん中に古い城があり、そこには魔女のばあさんがひとりっきりですんでいました。ばあさんは昼は猫やふくろうに変身しましたが、日が暮れるとまたふつうの人間の姿になりました。また、けものや鳥をおびき寄せ、殺して煮たり焼いたりしました。城から百歩内に入った人は、立ち止まったきり、ばあさんが魔法を解くまでその場から動けなくなりました。

ヨリンデとヨリンゲル メルヘン

しかし、けがれのない娘がこの範囲に入ると、ばあさんはその娘を鳥に変え、柳の鳥かごに閉じ込め、城の部屋に運び込みました。城の中には珍しい鳥のかごが七千ほどありました。

さて、あるとき、ヨリンデという娘がいて、他のどの娘よりもきれいでした。ヨリンデとヨリンゲルというハンサムな若者は結婚の約束をしていました。二人はまだいいなずけの日々を過ごし、一緒にいることが一番の幸せでした。

ヨリンデとヨリンゲル メルヘン

ある日、静かに語り合うために二人は森へ散歩にいきました。「気をつけて」とヨリンゲルは言いました。「城に近づきすぎないように。」美しい夕方でした。太陽が木々の幹の間から暗い森の緑に明るく射し込み、キジバトがブナの木の上でもの悲しく鳴いていました。ヨリンデは時々泣き、日なたに腰を下ろすと切なそうにしていました。ヨリンゲルも悲しく、二人は今にも死ぬかと思うくらい切なかったのです。そのとき二人は周りを見回して、すっかり途方にくれました。というのは家に帰る道がわからなかったからです。太陽はまだ半分山の上にあり、半分は山の下にありました。ヨリンゲルはしげみの間から見ると、古い城の壁がすぐ間近に迫って見えました。ヨリンゲルはぎょっとして死ぬほどの恐怖に襲われました。

ヨリンデが歌っていました。

ヨリンデとヨリンゲル メルヘン画像: Paul Hey (1867 – 1952)

「赤い首飾りをした私の小鳥、悲しい、悲しい、悲しい、と鳴く、鳩がまもなく死ぬと鳴く、悲しいと鳴く、悲…ジャグ、ジャグ、ジャグ」
ヨリンゲルがヨリンデの方を見ると、ナイチンゲールに変わっていて、ジャグ、ジャグ、ジャグと鳴きました。光り輝く目をしたふくろうがナイチンゲールの周りを三回飛びまわり、「ホーホーホー」と三回鳴きました。ヨリンゲルは動けませんでした。そこに石のようにつっ立って、泣くことも話すことも、手足を動かすこともできませんでした。太陽はもう沈んでしまいました。

ふくろうが木の茂みに飛んで入り、すぐあとでそこから腰の曲がったばあさんが出てきました。肌が黄ばみやせていて、大きな赤い目とあごに先が届く鉤鼻をしていました。ばあさんはぶつぶつ呟きながら、ナイチンゲールをつかまえ、手の中に入れて持って行きました。ヨリンゲルは話すこともその場から動くこともできませんでした。ナイチンゲールはいなくなってしまいました。しまいにばあさんは戻ってきて、しわがれた声で「今晩は、ザキエル、月の光が鳥かごにさしたら、ザキエルよ、すぐに放しておやり」と言いました。するとヨリンゲルの魔法が解かれました。

ヨリンデとヨリンゲル メルヘン

ヨリンゲルはばあさんの前に膝まづいて、僕のヨリンデを返してください、と頼みましたが、ばあさんは、お前は二度と娘に会えないよ、と言うと行ってしまいました。ヨリンゲルは、叫んで、泣いて、嘆きましたが、何もかも無駄でした。「僕はどうなるんだ?」

ヨリンゲルは立ち去り、とうとう知らない村にたどりつきました。そこで長い間羊の世話をしました。
ヨリンゲルはよく城の周りをぐるぐる歩き回りましたが、あまり近くには行きませんでした。とうとうある夜、夢を見て、真ん中に美しい大きな真珠がある血のように赤い花を見つけ、その花を採り、それを持って城に行きました。その花で触れると、あらゆるものの魔法が解かれました。また夢の中で、その花のおかげで愛するヨリンデも取り戻したのです。

朝になって目が覚めると、ヨリンゲルは山や谷を越えてそのような花を探し始めました。九日目まで探して、朝早く、血のように赤い花を見つけました。その花の真ん中に素晴らしい真珠ほど大きい露がありました。昼も夜もこの花を持って城に歩いていきました。

城の百歩内に入っても、体が釘づけにされず、戸口まで歩いていけたので、ヨリンゲルは嬉しくてたまりませんでした。戸は花で触れると、パッと開きました。中庭を通りぬけ入っていき、鳥たちの鳴き声を探して耳をすましました。とうとう鳴き声が聞こえました。ヨリンゲルは進んでいって、鳴き声が聞こえる部屋を見つけました。するとそこで魔女が七千の鳥かごの鳥たちにえさをやっていました。魔女はヨリンゲルを目にするとむっとしてひどく怒り、がみがみ怒鳴り毒を吐き、ヨリンゲルに歯をむきましたが、二歩手前までしか近づけませんでした。

ヨリンゲルは魔女に注意を払わずに鳥たちのかごに行って見てまわりました。しかし、何百というナイチンゲールがいて、どうしたら愛するヨリンデを見つけられるでしょうか。

ヨリンデとヨリンゲル メルヘン

ちょうどそのとき、ばあさんがこっそり鳥かごをとって、戸口に向かうのが見えました。ヨリンゲルは素早くばあさんの方へとんでいき、鳥かごに花で触れ、またばあさんにも触れました。それでもうばあさんはだれも魔法にかけられなくなりました。そしてヨリンデがそこに立ち、ヨリンゲルの首を抱きしめました。ヨリンデは以前と変わらず美しいままでした。それから他の鳥たちもみんな娘に戻りました。ヨリンゲルは愛するヨリンデと一緒に家に帰り、二人は長い間いっしょに幸せに暮らしました。

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背景情報

解釈

言語

「ヨリンデとヨリンゲル」は、グリム兄弟によるドイツのメルヘン(童話)で、愛と魔法がテーマの物語です。このお話では、若いカップルであるヨリンデとヨリンゲルが古い魔女の住む城の近くを歩いている際に迷ってしまい、魔女の魔法によってヨリンデがナイチンゲールに変えられてしまいます。

物語の核心は、ヨリンゲルが最愛のヨリンデを取り戻すために冒険を続けるという点にあります。ヨリンゲルは夢のお告げを受けて、特別な赤い花を探し出し、その花によって魔法の力を打ち破ります。この花は魔法を解く力を持ち、彼はそれによってヨリンデを人間の姿に戻し、さらに城に囚われていた他の娘たちも解放します。

この物語は、愛の力が困難を克服し、悪を打ち破るというテーマを持っており、伝統的なメルヘンの要素を多く含んでいます。魔法や変身、そして試練を通じた成長といった要素が現れ、読者に教訓を与えるとともに、想像力をかき立てる物語になっています。

「ヨリンデとヨリンゲル」の物語は、グリム兄弟によるドイツの有名な童話です。この物語は、愛と冒険をテーマにした典型的なメルヘンであり、魔法と変身が重要な要素として登場します。

物語の中で、森の中の古い城に住む魔女が登場し、彼女は人を動けなくする呪いを持っています。さらに、娘がその区域に入ると鳥に変えてしまい、自分の城の中に閉じ込めてしまいます。主人公のヨリンデとヨリンゲルは、愛し合う二人であり、ある日森を散歩している最中に魔女の呪いにかかってしまいます。ヨリンデはナイチンゲールに変えられ、ヨリンゲルは動けなくなってしまいます。

物語の後半で、ヨリンゲルは不思議な赤い花を夢で見つけ、その花が魔法を解く力を持っていることを知ります。彼はこの花を実際に見つけ出し、花を使って魔女の呪いを解き、ヨリンデと他の娘たちを救い出します。

この物語は、愛の強さや希望の持つ力、そして悪に立ち向かう勇気について教えてくれます。また、魔法や変身の要素が含まれているため、幻想的で興味深い展開が続きます。魔法の花の役割は、物語の鍵となる要素であり、絶望の状況を希望に変える力を象徴しています。

「ヨリンデとヨリンゲル」は、典型的なグリム童話の特徴である驚きと教訓に満ちた物語で、多くの人に愛され続けています。

「ヨリンデとヨリンゲル」はグリム兄弟による有名なメルヘン(童話)であり、魔女、魔法、愛の試練をテーマにしています。この物語を言語学的に分析すると、以下のような要素が見て取れます。

言語の選択とレトリック

描写: 敵対的な魔女の特徴や、森の情景が詳細に描写されています。「大きな赤い目」や「鉤鼻」といった視覚的な形容を用いることで、魔女の不気味さが強調されています。

対比: ヨリンゲルとヨリンデの描写は美しく、魔女や恐ろしい森との対比が際立っています。特に「美しい夕方」と「恐ろしい森」の対比が顕著です。

音韻とリズム

韻律: 「ジャグ、ジャグ、ジャグ」や「ホーホーホー」といった擬音語が用いられ、物語にリズムとリアリティを加えています。

歌と詩: ヨリンデが歌う部分は物語の中で特別な意味を持ち、魔法の変化を告げる重要な転機となっています。

テーマとモチーフ

魔法: 魔法は物語の中心的な要素であり、変身や呪いとして表現されています。特に「花」のモチーフは解放と希望の象徴となっています。

愛と救済: ヨリンゲルの愛と献身は、困難を乗り越える力として描かれています。愛する人を取り戻すために努力する過程が、物語の核心です。

構造

典型的なメルヘンの構造: 本作は、問題の発生、試練、解決の3部構成が明確です。呪いによる分離から始まり、ヨリンゲルの試練と最終的な再会という形で完結します。

象徴性

森: 森はしばしば危険や試みの場として用いられますが、一方で精神的な成長の場としての側面もあります。

魔女: 魔女は恐怖と未知の力を象徴し、主人公たちの勇気と知恵を試す役割を担っています。

この物語は、グリム兄弟の他の作品と同様に、単なる子供向けの物語ではなく、人間関係や心理的な成長を描く要素を持った深い作品です。日本語での翻訳も、こうした面白さを伝えるものになっています。

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