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親すずめと四羽の子すずめ
Grimm Märchen

親すずめと四羽の子すずめ - メルヘン グリム兄弟

子どもたちの読書の時間: 7 分

すずめがツバメの巣で四羽の子すずめを育てていました。子すずめたちの羽毛が生えそろったころに、いたずら坊主たちが巣を引っ張り出しましたが、運よく強い風にのって全員無事に飛び立ちました。すると親すずめは、息子たちがみんな世間に出て行ってしまったので、いろいろな危険のことを注意してどう取り組んだらいいか先に教えてやれなかった、と悲しみました。秋にたくさんのすずめたちが小麦畑に集まりました。するとそこで、親すずめはまた四羽の子すずめたちに会えて大喜びし、家へ連れて帰りました。

「ああ、息子たち、わしは夏じゅうお前たちのことを心配しておったよ。いろいろ教えてやるまえに風にのって行ってしまったからね。よく聞いておくれ、お父さんのいうことをきいて、よく身を守るんだよ。小さな鳥はとてもあぶない目に合うからな。」
そうして一番上の息子に、夏はどこで過ごし、どうやって暮らしをたててきたか尋ねました。
「僕はあちこちの庭に行って、毛虫や小さなミミズなど探したんだ。そのうちサクランボが熟して来たよ。」「ああ、息子よ、えさは悪くない。だが大きな危険もあるぞ。だからこれからよく気をつけるんだぞ。特に、中ががらんどうで上に小さな穴があいてる長い緑の棒をもって人間が庭を歩き回っているときはな。」「うん、お父さん、だけど、小さな緑の葉っぱが穴の上にろうでくっついているならどうなの?」「お前それをどこで見たんだ?」「商人の庭で」と子すずめは言いました。

「なるほど。商人は頭がいい人たちだ。」と父親は言いました。お前がこの世をよく知っている人たちの中にいたのなら、世知にたけたずる賢さは十分覚えただろう。ただそれをうまく使うように気をつけるんだよ、自信をもちすぎてはだめだな。」
それから父親は二番目の子に「お前はどこで過ごしたかね?」と尋ねました。「宮廷で」と息子は答えました。「すずめや小さな鳥はあそこでは役に立たない。あそこには、金やビロウドや絹や甲冑や馬具がたくさんあるし、ハイタカやフクロウやラナーハヤブサもたくさんいる。馬小屋から離れないでいるんだ。そこではカラス麦を箕にかけたり、から竿でたたくからな。そうしたら運よく危険な目にあわないで毎日穀物の粒にありつけるかもしれない。」「うん、お父さん」と息子は言いました。「だけど、馬番が罠を作ってわらの中に輪を入れておくと、たくさんつかまっているよ。」

「それをどこで見たんだい?」と親鳥は言いました。「宮廷でだよ。馬番たちのところで。」「ああ、そうか。宮廷の馬番は悪い連中だ。お前がずっと宮廷や殿方たちの中にいて、そこで羽根一枚もとられなかったのなら、お前はかなり学んで、どうやって世渡りするかよく知っているだろう。だが周りや上をよく見るんだ。狼は一番賢い犬でも食うとよく言うからな。」

父親は三番目の子も試してみました。「お前はどこで運だめしをしたんだい?」「僕は荷車の通る道や街道にたらいと綱をおいておきました。それでときどき小麦や大麦の粒にありつけました。」「うん、そりゃご馳走だ。」と父親は言いました。「だが、やっていることに気をつけろ、周りをよく見るんだ。特に、誰かかがんで石を拾おうとしていたらね。その時はさっさと逃げるんだよ。」「そうだね」と息子は言いました。「だけど、先に胸やポケットに岩や鉱石をもっていたらどうなの?」「どこでそれを見たんだい?」

「鉱夫たちのところだよ、お父さん。坑道から出るときたいてい鉱石をいくつか持って来てるよ。」「鉱山の人たちは働く人たちで賢いんだよ。お前が鉱山の若者と一緒だったんなら、大したものを見て学んだろう。だけどそこへ行くときは注意しろよ、コバルトを投げる鉱夫に殺されたすずめもいっぱいいるんだからな。」

とうとう父親は末の息子のところに来ました。「かわいいチッチ坊や、お前はいつも一番たわいなくてひ弱だったね。わしと一緒にいなさい。世の中には乱暴で意地悪な鳥がたくさんいるんだ。くちばしが曲がって長い爪があってね。あわれな小さい鳥を待ち伏せて食べてしまうんだ。同じ仲間の鳥と一緒にいて、木や家から小さいクモや毛虫をつかまえるんだ。そうすれば無事に長生きできるよ。」

「お父さん、他の人たちに悪いことをしないで食べていくんなら、よくいくんだよ。自分の身や自分のまっとうな食べ物を、朝も晩も神様にお任せしてれば、その人に悪いことをするハイタカやワシやトビはいないよ。神様は森や村の鳥全部をお創りになり守っていらっしゃるし、幼いカラスの叫び声やお祈りを聞いていらっしゃるんだ。神様のお考えでなければすずめやみそさざいは地面に落ちないからね。」「お前、どこでこれを覚えたんだ?」

息子は答えました。「急に吹いた強い風でお父さんから引き離されたとき、僕は教会に着いたんだ。夏じゅうそこで窓からハエやくもをとっていたんだよ。それでこの説教がされるのを聞いたんだ。すずめ全部のお父さんが夏じゅう僕を養って、災難や恐ろしい鳥から僕を守ってくれたんだよ。」

「そうだな。お前が教会で保護を受け、クモやぶんぶんうるさいハエを取り除く手伝いをして、幼いカラスのように神様にチュンチュンお話し、永遠の創造主に身を任せれば、何でもうまくいくよ。たとえ世界中に乱暴で意地の悪い鳥がいっぱいいてもね。神様に道をゆだねる人、黙って苦しみ、待ち、祈り、信仰を守り、良心を清らかにする人、そういう人をきっと神様は守ってくださるのだよ。」

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背景情報

解釈

言語

この物語『親すずめと四羽の子すずめ』は、グリム兄弟による教訓的なメルヘンの一例です。物語の主題は、親すずめが子すずめたちに人生の危険や知恵を教えることの重要性です。物語は四羽の子すずめがそれぞれ異なる場所で夏を過ごし、その経験を通じて学んだことを親すずめに報告する形で展開されます。

それぞれの子すずめは異なる環境で生活をしており:
1. 一羽目の子すずめは庭で過ごし、毛虫やミミズを食べていましたが、人間の持つ罠に注意を払う必要があると学びます。
2. 二羽目の子すずめは宮廷にいて、そこでの様々な危険に注意しながら、人間の罠に対する警戒心を持つ必要があると学びます。
3. 三羽目の子すずめは鉱山近くで過ごし、人間の拾う動作に対する警戒心を養います。
4. 四羽目の子すずめは教会で過ごし、神に信頼を置くことの重要性を学びます。

親すずめは、子どもたちに社会のさまざまな側面を教えつつ、最も安全な方法で生き抜くための知恵を伝えることを強調します。物語の終盤では、四羽の子すずめそれぞれが独自の学びを得たことが明らかになり、特に信仰や神の保護を信じることが無事に生き抜く手助けとなることが示されます。これは、家族の安全や教育の重要性、そして人間社会や自然の中で生き抜くための知恵を伝える寓話的なメッセージです。

この話『親すずめと四羽の子すずめ』は、グリム兄弟による物語の一つで、親すずめとその子すずめたちが、さまざまな場所で異なる経験を積む様子を描いています。この物語にはいくつかの重要な教訓やテーマが含まれています。

世知と学び: 子すずめたちはそれぞれ異なる場所で生き残る術を学びます。商人の庭、宮廷、街道、鉱山など、それぞれの環境で生きるために必要な知恵と注意を身につけています。

危険と注意: 親すずめは、それぞれの子供たちに特定の危険に対処する方法を教えています。これにより、子すずめたちはそれぞれの環境を生き抜くための心得を得ています。

信仰と保護: 末の子すずめは、教会で過ごすことで信仰の大切さを学びます。この部分では、神がすべての生き物を見守っていて、信仰を持って生きることで守られるという宗教的なメッセージが強調されています。

家族の絆と再会: 親すずめが再び子供たちに会い家に連れ帰る場面は、家族の絆や再会の喜びを象徴しています。特に、親は子供たちが無事でいることを確認し、喜びを感じています。

物語全体を通して、親の教えと、それぞれの環境での経験がいかに子供たちの生き方に影響を与えるかが描かれています。また、それぞれの場所で異なる知恵や教訓を得ることで、多様な生き方や智慧があることが示されています。それはまた、子供たちが成長し、各自の道を自信を持って進むための準備ともなっているのです。

このグリム兄弟の物語「親すずめと四羽の子すずめ」は、登場人物を通じて寓話的な教訓を伝える内容となっています。以下に、この物語の言語学的およびテーマ的な分析を示します。

登場人物と会話形式: 親すずめと子すずめたちとの対話形式で物語が進行します。これは、直接的な会話を通じて教訓を伝える古典的な方法です。

使われる表現とメタファー: 物語では、“(長い緑の棒)“や“(石を拾おうとしている人間)“など、様々なメタファーが用いられ、具体的な危険を象徴しています。これにより、読者には暗黙のうちにさまざまな知恵や危険が伝えられます。

視点の多様性: 各子すずめが異なる視点を持っており、それぞれが異なる場所での経験を語ります。これにより、物語全体が多面的な体験と教訓で豊かになっています。

テーマ的分析

親子の絆と教育: 親すずめは子供たちを心配し、彼らが危険を避け安全に生活するための知恵を授けようとします。これは親が子に教えを伝える重要性や愛情を表現しています。

危険と対処法: 子すずめたちが、それぞれの場所でどのように危険に対処したかを学ぶことで、現実生活でも様々な危険に対する警戒心や克服の方法を学ぶことができます。

信仰と安心感: 末っ子のすずめの物語は、神への信仰と安心感を表現しています。外の世界にどんな危険が潜んでいても、信仰があれば守られるというメッセージが伝わります。

道徳と倫理: 物語を通じて、誠実さや知恵の大切さ、神に対する信頼といった道徳的な価値観が強調されています。

このように、「親すずめと四羽の子すずめ」は、シンプルな語り口の中に深い教訓や価値観が織り込まれており、読者に対して多くの考えを促す作品となっています。

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